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K平均法(K-means)とは?わかりやすく解説

K平均法(K-means)は、データを自動的にグループ分けする手法の一つです。この記事では、K平均法の基本的な考え方、処理の流れ、メリット・デメリットを、専門用語をなるべく使わずに分かりやすく解説します。データ分析や機械学習の入門として最適です。


K平均法(K-means)は、たくさんのデータの中から、似たような性質を持つものを自動的にグループ分けするための代表的な手法の一つです。まるで、散らばったおもちゃを、種類ごとに箱に分けていく作業に似ています。この手法は、専門的な知識がなくても比較的理解しやすく、様々な分野で活用されています。

K平均法(K-means)とは何か

K平均法をひとことで言うと、「データを、あらかじめ決めた数(K個)のグループに、それぞれのグループの特徴が最もよく現れるように分ける方法」です。

例えば、たくさんの顧客の購買データがあるとします。このデータをK平均法で分析すると、「よく果物を買うグループ」「週末にまとめ買いをするグループ」「特定の商品しか買わないグループ」のように、顧客をいくつかのグループに自動で分類することができます。この「K」の数、つまりいくつのグループに分けるかは、分析を始める前に人間が決めてあげる必要があります。

この手法のポイントは、各グループの中心(平均的な位置)を見つけ出し、それぞれのデータが最も近い中心に所属するようにグループ分けを繰り返していく点にあります。

処理の流れ

K平均法がどのようにデータをグループ分けしていくのか、具体的なステップを見ていきましょう。

  1. グループの数(K)を決める: まず、データをいくつのグループに分けたいかを決めます。例えば、「顧客を3つのタイプに分類したい」と思ったら、K=3とします。このKの値をどう決めるかは、分析の目的やデータの特性によって変わってきます。
  2. 各グループの中心を仮に決める: 次に、それぞれのグループの中心となる場所を、データの中からランダムにK個選びます。これが最初の「仮の中心」となります。まだグループ分けがされていないので、本当に適当に選びます。
  3. 各データを一番近い中心のグループに割り当てる: すべてのデータに対して、先ほど決めたK個の「仮の中心」のうち、どれが一番近いかを計算します。そして、それぞれのデータを、最も近い中心が属するグループに割り当てます。これで、いったんK個のグループができます。
  4. 各グループの新しい中心を計算する: ステップ3でできた各グループに所属するデータだけを使って、それぞれのグループの新しい中心を計算します。これは、各グループ内のデータの平均的な位置を求めることに相当します。
  5. 中心が変化しなくなるまで繰り返す: ステップ3とステップ4を繰り返します。つまり、「各データを一番近い中心のグループに割り当てる」→「各グループの新しい中心を計算する」という作業を何度も行います。この繰り返しによって、グループの中心の位置が少しずつ調整されていき、データのグループ分けもより適切なものに変わっていきます。この繰り返しは、グループの中心の位置がほとんど変化しなくなったら、あるいは、あらかじめ決めておいた回数に達したら終了します。

この一連の流れによって、最終的にK個のグループと、それぞれのグループの中心点が決まります。

K平均法の良いところ

K平均法には、いくつかの優れた点があります。

  • 仕組みがシンプルで理解しやすい: 他の複雑なデータ分析手法と比べて、K平均法のアルゴリズム(処理の手順)は比較的単純です。そのため、専門的な知識がなくても、どのようにグループ分けが行われるのかを直感的に理解しやすいというメリットがあります。
  • 計算が速い: 処理するデータが非常に多くても、比較的短い時間で結果を得ることができます。これは、実際のビジネスシーンなどで大量のデータを扱う際に非常に重要です。
  • いろいろな分野で使える: 顧客の分類だけでなく、画像の色を減らしたり(減色処理)、文書をトピックごとに分類したり、異常なデータを検出したりと、幅広い分野で応用が可能です。

K平均法の悪いところ

一方で、K平均法にはいくつかの注意点や苦手なこともあります。

  • 最初にグループの数(K)を決める必要がある: Kの値を分析者が事前に決める必要がありますが、このKの値を適切に設定するのが難しい場合があります。Kの値が小さすぎると、本来分かれるべきグループが一つにまとまってしまったり、逆に大きすぎると、一つのグループが不必要に細かく分割されてしまったりすることがあります。
  • 最初の中心の選び方によって結果が変わることがある: ステップ2で「仮の中心」をランダムに選ぶと説明しましたが、この最初の選び方によっては、最終的に得られるグループ分けの結果が少し変わってしまうことがあります。これを避けるために、最初の中心の選び方を工夫したり、何度か試行して最も良い結果を採用したりするなどの対策が取られることがあります。
  • 丸い形のグループ分けしかできない: K平均法は、各グループの中心からの距離に基づいてデータを分類するため、球状というか、丸っこい形のグループを作るのは得意ですが、細長いグループや、複雑な形をしたグループをうまく見つけるのは苦手です。
  • 外れ値(他のデータから大きく離れた値)の影響を受けやすい: グループの中心を計算する際に、他のデータから極端に離れた値(外れ値)があると、その値に中心が引っ張られてしまい、適切なグループ分けができなくなることがあります。そのため、分析を始める前に、外れ値を除去したり、影響を小さくしたりする前処理が必要になる場合があります。

まとめ

K平均法は、大量のデータの中から似たもの同士を集めてグループ分けを行うための、シンプルで強力な手法です。その分かりやすさと計算の速さから、データ分析の最初のステップとしてよく用いられます。

顧客の行動パターンを把握したり、製品を分類したり、異常を検知したりと、様々な場面で役立ちます。ただし、グループの数を事前に決める必要がある点や、データの形によってはうまく分類できない場合がある点など、いくつかの注意点も理解しておくことが大切です。

これらの特性を理解した上で活用すれば、K平均法はデータに隠された様々な情報を見つけ出すための有効なツールとなるでしょう。


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