K平均法(K-means)とは?データをグループに分けるかんたんアルゴリズム入門
K平均法(K-means)は、大量のデータを自動的にグループに分けるためのシンプルで強力な方法です。初心者にもわかるように、小学生でも理解できるレベルで、仕組み・使い方・注意点をわかりやすくやさしく解説します。
K平均法(K-means)とは?
K平均法(けいへいきんほう、K-means)は、たくさんのデータを「似たもの同士」に分けるための方法です。たとえば、いろんな色のボールがごちゃまぜになっているときに、「赤っぽいグループ」「青っぽいグループ」「黄色っぽいグループ」と分けるようなイメージです。
「K」というのは、最初に「いくつのグループに分けたいか」を決める数です。たとえば「K=3」なら、3つのグループに分けることになります。
どうやって分けるの?
K平均法の流れは、とてもシンプルです。以下のような手順で動きます。
① はじめに「グループの中心」を適当に決める
まずは、どのデータがどのグループかまだ分からないので、とりあえずK個の「グループの中心」をランダムに決めます。
② それぞれのデータを、一番近い中心にくっつける
次に、データ(たとえば点や数字など)を、いちばん近い中心に「よいしょ」とくっつけます。これで、仮のグループができます。
③ グループの中心を計算しなおす
それぞれのグループができたら、その中にいるデータの「まんなか(平均)」を新しい中心として更新します。
④ ②と③を何回もくり返す
くっつけなおして、中心を更新して、を何回もくり返していると、だんだんグループが安定して動かなくなります。そうなったら「できあがり」です。
もっとやさしく言うと…
たとえば、クラスのみんなの身長と体重のデータがあったとします。それをK平均法にかけると、「ちょっと小柄な人たちのグループ」「ふつうの人たちのグループ」「大きめの人たちのグループ」みたいに、パターンごとに分けてくれるイメージです。
どんなときに使うの?
K平均法は、いろんな場面で使われています。
- お店でのお客さんの行動を分析するとき(たとえば、よく買う人・たまに来る人などの分類)
- 画像の中から色をグループに分けて、色数を減らす(色の整理)
- センサーのデータをグループにして異常を見つける(いつもと違うデータを見つけやすくする)
K平均法のよいところ
よいところ | 説明 |
---|---|
かんたん | 手順がわかりやすくて、誰でも実装しやすい |
はやい | データが多くても、わりとすばやく分けられる |
使いやすい | いろんなデータに応用できる |
ちょっと注意が必要なところ
注意点 | 説明 |
---|---|
最初の位置で結果が変わることがある | 最初の中心をランダムに決めるので、分け方が毎回ちがうこともある |
グループの数は先に決めなきゃいけない | 「何グループに分けたいか」は自分で決めないといけない |
きれいな丸いグループじゃないと苦手 | 「グループのかたち」がゆがんでいると、うまく分けられないことがある |
まとめ
K平均法は、たくさんあるデータを「似たもの同士」に分けるための、とても有名な方法です。 手順もシンプルでわかりやすく、「まず試してみたい」というときにぴったりの手法です。
データを「見る」「理解する」「まとめる」ためには、こうした方法がとても役立ちます。学校の成績、会社の売上、機械の動き……いろんなデータをきれいに整理して、新しい気づきを得る手助けをしてくれるのがK平均法です。
このしくみを覚えておけば、いろんな場面で「使えるアイデア」として活かすことができます。
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