DBSCAN徹底解説|データのかたまりを見つける賢い仕組みをやさしく解説

DBSCANは、ばらばらのデータの中から自然なグループ(かたまり)を自動的に見つけてくれる、かしこい方法です。本記事では、小学生でもわかるように、例え話を交えながら、ノイズの扱いや他の方法との違いまで、やさしくわかりやすく解説します。

Tags:#解説

DBSCANとは?かんたんに言うと?

DBSCAN(ディービースキャン)は、たくさんのバラバラなデータの中から、「まとまり」になっているグループを自動で見つける方法です。

たとえば、宇宙から見た夜の街の光がたくさんある地図を想像してください。明るいところが町で、ポツンと光っているところはたまたま車のライトだったとします。このとき、「明るい場所=町のかたまり」を探すようなものがDBSCANの仕事です。

DBSCANが得意なこと

  • 「いくつグループがあるか」を最初に知らなくても大丈夫
  • バラバラな形や大きさのグループでも見つけられる
  • まわりと全然関係ない“ひとりぼっち”のデータ(ノイズ)もちゃんと見分けられる

DBSCANの考え方

DBSCANがグループを見つける考え方は、とてもシンプルです。次の2つを使います:

  1. 近くにある人を集める(近くってどれくらい?という「ルールの距離」を決めておく)
  2. まわりに何人いるかを見る(友だちが何人いれば仲間とみなすか、という「ルールの人数」を決めておく)

これをもう少しくわしく見てみましょう。

ステップ1:コアになる人を見つける

ある点を見て、その点のまわりに「近くの人」が何人いるかを数えます。もし十分に多くの人がいたら、その人は「中心の人(コア)」になります。

ステップ2:グループをつなげて広げる

そのコアの人のまわりの人たちを、同じグループに入れます。そして、その中にさらにコアの人がいれば、その人のまわりもどんどん広げていきます。

こうやって、自然にグループ(クラスタ)ができあがります。

ステップ3:どこにも入れなかった人

どのグループにも入らなかった人は、「ノイズ」として扱われます。つまり、「どの町の一員でもない旅人」みたいなイメージです。

DBSCANの使いどころ

たとえば、こんなところで使われています:

  • 地図の中から自然な町や建物のエリアを見つける
  • 工場のデータから異常な動きをした機械だけを見つける
  • お客さんの行動から、似た人のグループを見つける(マーケティング)

他の方法とのちがい

たとえば、K-平均法という別のグループ分け方法では、「グループはいくつにするか?」を最初に決めないといけません。

でもDBSCANでは、そういうことを決めなくても、自然にグループが見つかります。また、K-平均法は丸い形のグループしか得意ではありませんが、DBSCANはへんな形でも大丈夫です。

DBSCANを使うときに決めること

DBSCANには、2つのルールを自分で決める必要があります:

  1. 「近く」の基準(距離):このくらい近ければ仲間、とする距離
  2. 「まわりの人数」:何人以上まわりにいればグループの一員とするか

この2つの数字をいい感じに調整するのが、ちょっとしたコツです。

まとめ

DBSCANは、「データのかたまり(クラスタ)」を見つけたいときに、とてもかしこく働いてくれる方法です。特に、

  • グループの数がわからないとき
  • ノイズ(異常)も見分けたいとき
  • いびつな形のグループも扱いたいとき

にぴったりです。

難しい数式を知らなくても、身の回りの「人が集まる・ばらける」イメージをもとに考えられるので、とても直感的でわかりやすいのが特徴です。あなたの身の回りのデータを、DBSCANでグループ分けしてみると、意外な発見があるかもしれません。

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