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Ollamaとは?ローカルPCでAI(LLM)を動かす簡単な方法を徹底解説

Ollamaを使えば、自分のパソコンでLlama 3やGemmaなどの大規模言語モデル(LLM)を簡単に動かせます。インストール方法から基本的な使い方、注意点まで、初心者にも分かりやすく丁寧に解説。プライバシーを守りながら、オフラインでAIを活用したい方におすすめです。

Tags:#開発

はじめに:Ollamaとは?

「Ollama(オラマ)」は、一言で言うと「自分のパソコン上で高性能なAI(大規模言語モデル、LLM)を簡単に動かすための道具」です。

通常、ChatGPTのような高性能なAIを使うには、インターネットに接続して、サービスを提供している会社のサーバーにアクセスする必要があります。しかしOllamaを使えば、インターネット接続がない環境でも、自分のパソコンの中だけでAIを動作させることが可能になります。

2023年8月に登場して以来、その手軽さと高い性能から、多くの開発者やAIに興味を持つ人々の注目を集めています。Windows、Mac、Linuxといった主要なパソコン環境に対応しており、誰でも気軽に始めることができます。

この記事では、そんなOllamaの魅力や使い方について、専門的な知識がない方にもご理解いただけるよう、一つひとつ丁寧に解説していきます。


Ollamaが持つ素晴らしい特徴

Ollamaがなぜこれほどまでに支持されているのか、その主な特徴をいくつかご紹介します。

1. 自分のパソコンの中だけでAIが動く(ローカル環境での実行)

最大の特徴は、すべての処理が自分のパソコン内で完結する点です。

  • プライバシーの保護: AIに質問したり、文章を作成させたりする内容が外部のサーバーに送信されることが一切ありません。会社の機密情報や個人情報など、外部に出したくないデータを扱う際に非常に安心です。
  • オフラインでの利用: インターネットに接続できない場所でも、問題なくAIを利用できます。飛行機の中や、電波の届きにくい場所でも作業が可能です。
  • コストの削減: クラウド上のAIサービスは利用量に応じて料金がかかることがありますが、Ollamaは自分のパソコンのリソースを使うため、追加の利用料金は発生しません。

2. 多種多様なAIモデルに対応

Ollamaは、特定のAIモデルに限定されません。世界中の開発者によって作られた、さまざまな特徴を持つAIモデルを自由に選んで利用できます。

  • 有名なモデルが勢揃い: Meta社の「Llama 3」やGoogle社の「Gemma」、その他にも「Mistral」や「Phi」など、話題の高性能モデルが多数サポートされています。
  • 目的に応じた使い分け: 文章生成が得意なモデル、プログラミングコードの作成に特化したモデルなど、自分のやりたいことに合わせて最適なAIを選ぶことができます。

3. シンプルで分かりやすい操作性

AIを動かす、と聞くと複雑な設定を想像するかもしれませんが、Ollamaの操作は驚くほどシンプルです。いくつかの基本的な命令(コマンド)を覚えるだけで、AIのダウンロードから実行、管理まで簡単に行えます。これにより、専門家でなくても直感的に扱うことが可能です。

4. 他のプログラムとの連携(API連携)

開発者にとっては、自分のアプリケーションやシステムにOllamaのAI機能を組み込める点が大きな魅力です。PythonやNode.jsといったプログラミング言語と簡単に連携できるため、自作のツールに賢い頭脳を授けるようなことが実現できます。

5. 出力形式のコントロール

「JSON形式で回答して」といったように、AIが出力する情報の形式をあらかじめ指定できる「Structured Outputs」という機能も備わっています。これにより、プログラムで後処理する際に非常に扱いやすい、整ったデータを得ることができます。


Ollamaを導入してみよう(インストール手順)

実際にOllamaをあなたのパソコンに導入する手順を見ていきましょう。

準備するもの(システム要件)

Ollamaを快適に動かすためには、ある程度のパソコンの性能が必要です。

  • OS: macOS 12以降、Windows 10以降、またはLinux
  • メモリ(RAM): 最低でも8GBは必要です。より大きなAIモデルを動かす場合は16GB以上あると安心です。
  • ストレージ(空き容量): AIモデルのデータを保存するために、最低でも10GB以上の空き容量を確保しておきましょう。

インストール手順

  1. 公式サイトへアクセス: まずはOllamaの公式サイトにアクセスし、お使いのパソコンのOS(Windows, macOSなど)に合ったインストーラーをダウンロードします。

  2. インストーラーの実行: ダウンロードしたファイルを開き、画面の指示に従ってインストールを進めます。特に難しい設定はなく、数クリックで完了します。

  3. 動作確認: インストールが正常に完了したかを確認します。

    • Windowsの場合は「コマンドプロンプト」や「PowerShell」、Macの場合は「ターミナル」を開きます。
    • 以下の命令を入力して、エンターキーを押してください。
    ollama --version
    

    ollama version is... のようにバージョン情報が表示されれば、インストールは成功です。


Ollamaの基本的な使い方

インストールが完了したら、早速AIモデルを動かしてみましょう。

1. 利用可能なAIモデルの一覧を見る

どんなAIモデルが使えるのか、まずは一覧を確認してみましょう。

ollama list

この命令を実行すると、現在あなたのパソコンにダウンロードされているAIモデルの一覧が表示されます。最初は何も表示されないはずです。

2. AIモデルをダウンロードする

次に、使いたいAIモデルをインターネットからダウンロードします。ここでは例として、Meta社の高性能モデル「Llama 3」をダウンロードしてみましょう。

ollama pull llama3

pull は「引っ張ってくる」という意味です。この命令で、Ollamaが公式に提供している倉庫から llama3 という名前のモデルをダウンロードしてきます。モデルのサイズによっては数分から数十分かかる場合があります。

3. AIモデルを実行して対話する

ダウンロードが完了したら、いよいよAIと対話を始めます。

ollama run llama3

run は「実行する」という意味です。この命令を実行すると、プロンプト(入力待ち受け状態)が表示され、自由に質問や指示を入力できるようになります。

例えば、「日本の首都はどこですか?」と入力してエンターキーを押すと、Llama 3が「日本の首都は東京です。」といった形で回答を生成してくれます。対話を終了したい場合は、/bye と入力してください。


知っておくと便利な注意点と設定

Ollamaをより快適に使うための、いくつかのポイントをご紹介します。

長時間使わないと最初の応答が遅くなる?

Ollamaは、しばらく使われていないと、パソコンのメモリを節約するために一時的に眠りの状態に入ります。そのため、久しぶりに ollama run コマンドを実行した際に、AIが目覚めるまでに少し時間がかかり、最初の応答が遅く感じられることがあります。これは正常な動作なので、少し待ってみてください。

パソコンのメモリを自動で解放する設定

OllamaでAIモデルを一度実行すると、そのモデルはパソコンのメモリ(特にGPUメモリ)の一部を使い続けます。これにより、次に使うときに素早く応答できるのですが、他の作業をする際にパソコンの動作が重くなる原因にもなり得ます。

もし、一定時間Ollamaを使わなかった場合に、自動でメモリを解放してほしい場合は、以下の設定が役立ちます。

ollama serve --idle-timeout 600

この命令は、「Ollamaのサーバーを起動するが、もし600秒(10分)間何も操作がなかったら、メモリを解放して終了する」という設定です。数字の部分を調整すれば、好きな時間に変更できます。この設定をしておくことで、無駄なメモリ消費を抑えることができます。


まとめ

Ollamaは、プライバシーやセキュリティを重視しながら、手軽に最先端のAI技術を試すことができる、非常に強力で画期的なツールです。

  • 機密性の高い情報を扱いたいビジネスパーソンや研究者
  • インターネット接続が不安定な環境でオフラインでAIを使いたい
  • AIの仕組みを学びたい学生やエンジニア
  • 自分のアプリケーションにAI機能を組み込みたい開発者

上記のような方々にとって、Ollamaは大きな可能性を秘めています。インストールも使い方もシンプルなので、AIの世界への第一歩として、ぜひOllamaを試してみてはいかがでしょうか。あなたのパソコンが、あなただけの賢いアシスタントに変わる体験が待っています。

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